虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

ブータンシボリアゲハとウンナンシボリアゲハ

 先日、母校の(真っ赤な嘘です)東京大学へ行ってきました。目指すは世界最後の幻の大蝶「ブータンシボリアゲハ」の展示です。去年、80年ぶりに日本の調査隊が、その存在を再確認し、大騒ぎになったあの蝶です。イメージ 1
 
 標本はブータンに残してきたのですが、ワンチュク国王夫妻の来日の際に、立派な装飾の標本箱とともに、日本に寄贈されました。王室の紋章と、国のシンボルの竜が彫刻されています。蝶もお宝ですが、標本箱もお宝です。
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 一緒に展示されていた蝶研究の大家、故五十嵐博士のコレクションです。
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 一番上のシボリアゲハが、ブータンシボリにかなり似ていますが、尾状突起の長さ形、全体のシルエットが明らかに違います。一番下のウンナンシボリアゲハも、日本人が1981年に60年ぶりに再発見した幻の蝶だそうです。ウッチャン・ナンチャンのウンナンではなく、雲南です。
 この年には、四川省の高峰ミニアコンカでの滑落事故で日本の登山隊の8人が死亡した、ミニアコンカの悲劇という日本隊海外登山史上最大の惨事があったそうで、その時の隊員2人が採集した蝶が、このウンナンシボリアゲハだったそうです。2人のうち1人は、この事故で亡くなっています。左下の蝶がまさに、この81年採集の蝶なのだそうです。
 
 余談ですが、この日の東大でも、例のホンセイインコを発見しました。どうやら東京中の公園がこのインコに占拠されているようです。
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 フユシャクも東大で新種発見です。ネットで調べると、ヒロバフユエダシャクのようです。ナンジャモンジャと表示された木にいました。本当にこんな名前の木があるのでしょうか。
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