東京・銀座周辺の街角。会社帰りに民家の生垣で虫を接写してると、後ろに自転車の気配。「もしもし、何してらっしゃるんですか」。振り向くと、お巡りさんの姿。久々に職務質問、いわゆる「ショクシツ」というのをされてしまいました。
街中で小さな虫を撮る姿は、かなり怪しいですから、不審に思われても仕方ないですね。きっと、仕事熱心な、いいお巡りさんなのだと思います。
撮っていたのは、こんな虫や、こんな虫や、こんな虫。
生垣のヒサカキに多いホタルガの幼虫
生垣のヒイラギに多いテントウノミハムシ
クコの木に多いトホシクビボソハムシ
垣根越しに他人の生活を覗き見する不審者もいるのでしょうが、私は違います。でも、撮られる側の虫からすれば、やっぱり覗き見されているようなものかもしれませんね。♂と♀の愛の営みを覗かれるのは、虫にとっても、あまりうれしいものではないでしょうから。
お巡りさんは、若くて、とても優しい人で「こんな虫を撮ってます」、と指差して示すと、嫌悪感を示すこともなく、全然面白くないであろう説明をじっと我慢して聞いてくれました。ついでに、昆虫記者の新名刺をお渡しして、「本も出してます」とセールストークまでしてしまいました。
買ってくれると嬉しいのですが、恐らく、いや絶対買ってはくれないでしょう。町の安全を守ることの方が大事ですから。やさしいお巡りさん、頑張って下さい。