虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

師走の虫探し・オサムシのミイラ発掘編

 「師走の虫探し」の残務処理はまだ続きます。

冬のオサムシ探しの方法として、オサ掘りというのがあります。切通しの崖の土中で越冬するオサムシ類を掘り出すというものです。私はまだやったことがないのですが(そもそも都心近くでは、崩しても文句の出ないような崖はほとんど存在しないのです)、本当にそんなところで越冬オサムシが見つかるのか、これまで半信半疑でした。

ところが先日、横浜の公園で奇妙な光景に遭遇しました。切通しの崖から、オサムシのミイラがたくさん顔を出していたのです。まるで、エジプトの「王家の谷」。
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オサムシ王家の谷」のミイラの数は、ざっと見渡しただけで、6、7個はあります。詳しい事情は分かりませんが、越冬に失敗して死んだオサムシが土の中でミイラになり、その後土壁が侵食され、ミイラが顔を出したのではないかと思われます。

状態の良さそうなミイラを一つ、引っ張り出してみました。ほぼ完全なミイラです。
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水筒の湯を掛けてきれいにしてみました。足も触角も、すべてそろったアオオサムシです。
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公園の散歩道なので、オサ掘りなど絶対できない環境なのですが、オサムシが崖の土の中で山ほど越冬しているということは確認できました。今回はオサ掘りではなく、オサムシのミイラ掘りでしたが、発掘調査隊になったみたいで、意外に楽しい。