虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

路上のツマグロヒョウモン幼虫。今年も通勤途中で救出

 毎年今頃の季節に、街中のアスファルトの路上で踏みつぶしそうになる派手派手しくて、トゲトゲのイモムシは、ツマグロヒョウモンの幼虫です。
 小さなプランターや道端のスミレを食べ尽くして、新たな餌場を求めて、あるいは、蛹化の場所を求めて、危険な旅に出たところなのでしょう。
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 それにしても、毒々しくて気味の悪いイモムシですね。毒虫と思い、意図的に踏みつぶす人もいるかもしれません。

 そんな危機的状況のイモムシを、毎年のように救っているのが虫記者です。去年も一匹、そして今年も一匹、通勤途上で救出しました。

 プラケースの中で数日間スミレを食べて蛹になり、1週間後には羽化。♂でした。
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 ♂は普通のヒョウ柄で、全然ツマ黒ではありません。
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 ♀はこんなですね。
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 近所でツマ黒の妻を見つけて、これからたくさん花壇に植えられるバンジービオラに子孫を託すのでしょう。ヒョウモンチョウの中で、年に何化もするのはツマグロだけ。栽培種のスミレを好んで食べるのもツマグロだけ。都会生活にどっぷりと浸かって、生息域を北へ北へと広げているツマグロ。本当にしぶとい都会派の蝶ですね。