ゴールデンウィークも残り少ない5月6日は、久々に津久井湖城山公園です。車を廃車にしたので、今後は電車、バス、徒歩での虫旅です。乗り合いバスの旅とか、ぶらり何とか旅とかはやっているので、流行の最先端とも言えます。それに、もう車の運転がスリル満点、ブレーキとアクセルを踏み間違えそうな年齢になったので、完全自動運転とか実現するまでは、運転を控えた方が良さそうですね。
津久井湖城山公園は京王線か横浜線の橋本駅から、12分に一本、神奈川中央交通の三ヶ木行きバスが出ているので便利です。津久井湖観光センター前で降りてもいいのですが、個人的には北根小屋で降りて、諏訪神社脇から入るのが好きです。この上り坂がなかなかいい感じ。
ここは、虫記者並みに足腰が弱ってきた虫撮る人々には、うってつけ。なだらかな虫見ロードが多い割には、自然が豊かで、植物の種類も多様ですので、中高年の虫好きの方は是非お出かけください。若者には物足りないですが。
と、まあ、津久井湖の観光大使の役割はこの辺までにして、まずは、エゴツルクビオトシブミの交尾しながらの揺りかご作りという、離れ業をご紹介しましょう。
交尾しながらの食事という風景は、人間界では不謹慎でも、昆虫界では当たり前ですね。
しかし、交尾しながら、卵を揺りかごに格納するというのは、虫と言えども、なかなかできることではありません。
エゴノキの切れ目を入れた葉が二つ折りになっているのは、揺りかご作りの第一段階です。葉の先端にはエゴツルクビオトシブミのカップル。しっかり接合したこの状態では、卵は産めないので、既に降りたんだ葉の先端付近に卵があるのでしょう。驚かせてはいけないので、確認はできませんでした。次回同じ場面に出くわしたら、熱愛カップルの邪魔をして、強引に卵を確認したいと思います。
右上方には、既に完成した揺りかごが見えます。同じ枝先に幾つも揺籃を作ることが多いのはなぜでしょう。作業効率がいいから?
♀が葉の先端を巻き始めました。卵を産んですぐに交尾というのは、ちょっとどうかと思うのですが、他人の生活にやたらと口出しするのは、良くないので、黙認しておきましょう。
葉っぱを折ったり、巻いたり、オトシブミの♀は本当に働き者です。背中には図体の大きい♂がのしかかっているのに、全く苦にする様子がないのは、大したものです。
それにしても♂は、揺りかご作りを全く手伝おうとしません。これでいいのでしょうか。人間の♂としては、他山の石、人の振り見て我が振り直せと、反省しきりです。
そのうち、♂も恥ずかしくなったのでしょう。ちょっと離れて、♀の作業を傍観しています。
後はメスの孤独な作業。
かと思ったら、また♂がやってきて、交尾を再開。一体何を考えているのやら。揺籃作りの最中の♀は、一心不乱の状態なので、♂が交尾を迫っても全く無抵抗。♂にとっては、都合がいいのでしょうが、こういう、どさくさ紛れ的なやり方は感心しません。あ、また、他人の家庭に口出ししてしまいました。
とか何とか、余計なコメントを挟んでいるうちに、揺りかご作りの作業は半分近くが終了。ここまでなんと30分。撮る方もいい加減疲れたので、別の場所に移動することにします。
そして1時間後、別の場所で、また同じ光景を目にすることになるのでした。