虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

東京都心、春の公園虫散歩(葛西臨海公園はアカスジキンカメ天国)

 東京都心、春の公園虫散歩。この季節にどうしても行きたくなる葛西臨海公園。この公園の虫の見頃の季節は何度もありますが、この季節の主役、看板スターはアカスジキンカメムシです。

 越冬明けの終齢幼虫が、あの宝石系の成虫へと変容を遂げる時期が今頃ですね。

 葛西臨海公園でのアカスジキンカメムシの目印は、シンジュの木。ミズキとかエノキとか、ゴンズイとかメタセコイアとか、色々な木にいるアカスジキンカメですが、ここ葛西では、なぜか圧倒的にシンジュの木が人気です。
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羽化後間もない感じの2匹。右のは緑色はもうしっかり発色してますが、赤がまだまだ。左のは、緑色の発色もまだまだの感じですね。

 ただ、この時期はシンジュの木そのものではなくて、シンジュの大木の下にある低木の葉にいることが多いです。きっとシンジュの木周辺の落ち葉の中などで越冬していた終齢幼虫が集合しやすい場所が、低木の葉の上なのでしょう。
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 余計な人間が横から顔を出してきました。カシオのエクシリムで自撮り虫撮りが簡単になったので、ついこういう写真を撮ってしまいます。

 この時期には、羽化後の様々な色彩変化が見られるので、ちょっとした芸術鑑賞、宝石店めぐりの感覚が味わえます。しかも、その数が半端じゃない。今回も20~30匹はいたでしょうか。普段もいっぱいいるはずなのですが、この時期はまさに目の高さの見やすい場所に集まっているので、目につく数が多いということでしょう。2匹、3匹とかたまっているのも多いので、見ごたえがありますね。まさにアカスジキンカメ天国です。

 これは羽化直後。黄色い成虫の横には、幼虫時代の脱皮殻があります。
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 今回の新発見は、クリの木にもかなりの数のアカスジキンカメがいたこと。葛西のアカスジキンカメは、クリも好みなのかもしれません。
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 もちろん、まだ幼虫もいます。アカスジキンカメの幼虫は1齢、2齢ぐらいは、キンカメ独特の輝きがありますが、終齢では少し地味になり、成虫になって、再び派手派手しく着飾ります。越冬中は地味な姿で耐え忍び、春になって一気に美しさが花開く。なんだか、女性のファッションみたいです。
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 ここには3匹が写り込んでいます。
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 ここには2匹。
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 時々、緑の部分が黒っぽくなった黒化型もいます。これはこれで、なかなかに美しい。
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 かわいそうな羽化不全のもいました。色模様も乱れていますが、これも個性と言えるかも。
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 この時期としては、これぐらい赤が発色していれば、まずまずです。
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 筋模様が、白、ピンク、赤と変化していくのが、少女の成長を見ているようで、ドキドキしますね。
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 「今、春が来て、君はきれいになった」。名残雪の世界です。

 発色のいいのを一匹、指乗せしてみました。
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 アクセサリーとしても一流ですね。ちょっと臭いのが玉に瑕ですが。