この変な顔は誰。
正解はアサギマダラの幼虫です。この変顔に出会いたくて、今年もまた、真冬の八王子に出かけました。
八王子周辺の低山はどこでも、アサギマダラの食草であるキジョランが生えていて、丸い食痕があれば、その葉の裏にたいてい小さな幼虫がいます。冬は地面近くの葉裏に幼虫がいることが多いので、見つけるのは容易です。
食痕の近くにいた恐らく2齢の幼虫。2齢までの顔は、何のへんてつも無い黒一色です。
この丸い食痕を作ることを、トレンチ行動と言います。植物の葉は虫に食べられないよう、自己防衛のために苦い液を出すのですが、一部の虫は、まず丸い噛み跡を付け、内側にこの液が入らないようにしてから、円内の葉をおいしくいただきます。円形の周囲に残った白い粉のようなものが、不味い液のかたまりです。
少し大きな幼虫もいました。アサギマダラの幼虫は、3齢、4齢になると、突然デストロイヤーのマスクのような変顔になります。
角が大きくなると同時に、白、黒、黄色の組みひものような模様が鮮やかになり、不気味さと可愛さが際立ってきます。