井の頭公園の林の中を歩いていたら、木の幹から、何かがポトリと地面に落ちました。丹念に地面を探してみると、カメムシが一匹、仰向けになってもがいています。「これは、かわいそうに。おじさんが助けてあげるから、代わりに宝物のあるところに案内しておくれ」。
「お前のせいで、びっくりして木から落ちたのに、勝手なこと言うな」
これは、この先何かいいことがあるに違いないと思い、散策を続けましたが、その後出会ったのは、ツヤアオカメムシのミイラだけでした。恩知らずのエサキモンです。
生前をしのばせるポーズで完全にミイラ化したツヤアオカメムシ