虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

糞の家に住むムシクソハムシの幼虫

 イモムシが好きな人は少ないでしょうし、その糞が好きな人はまずいないでしょう。そんな、誰もが嫌悪するイモムシの糞に擬態しているのが、ムシクソハムシです。私は、糞は嫌いですが、ムシクソハムシは好きです。
 この時期、ツツジやサツキの若葉の先に、コロンとした糞がへばりついていたら、じーっと観察して見ましょう。糞が歩き出したらツツジムシクソハムシです。
 
 遠目にはただの糞ですが、近寄ると、ちゃんと顔も足もあります。
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 ちょっと捕まえて、正面から見てみましょう。触角も目もあります。
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 そして、ここからは「今日も、こっそり自然観察」のこっそりさんに大感謝です。近くにたくさん幼虫がいるはずとの情報をブログで拝見。早速、築地市場のすぐ近くにあるムシクソ天国に行ってきました。
 
 すると、いるわ、いるわ、幼虫だらけです。この幼虫は、糞のお家に住んでいます。お菓子のお家なら住みたいですが、普通ならゴミ屋敷とか糞屋敷とかには住みたくないですよね。
 幼虫が孵化した際には、親が卵に塗りたくってくれた糞が最初のお家になるそうです。そこに自分の糞を継ぎ足して、お家を増築していくようです。
 なので、糞のお家には、年代ごとの地層のような模様があったりします。弥生式土器のようで素敵ですね。
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 ちょっと顔を出しました。
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 それでも露出度が低いので、塀の上に置いて観察です。
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 糞の家に住む幼虫と、糞に擬態する成虫。ムシクソ天国をご堪能いただけたでしょうか。
 
 糞のまま終わると、後味が悪いという方のために、ご近所の住人も紹介します。
 カタバミに群れていたシラホシカメムシの仲間です。
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 ヤマイモにいるヤマイモハムシとツユクサにいるキバラルリクビボソハムシです。
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 おっと、彼らの幼虫も糞を背負う仲間でした。すいません、最後まで糞づくしになってしまいました。