虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

花粉症対策に一役?頑張れブタクサハムシ

 秋の花粉症の元凶として忌み嫌われている雑草がブタクサ。名前からして、豚草ですから、嫌な奴って感じですね。英語のホッグウィードを訳した名前なので、原産地の北米でも、あまり好感を持たれていなかったようです。戦後急速に勢力を拡大したため、「マッカーサーの置き土産」なんて呼ばれています。別にマッカーサーが持ってきたわけでもないのに、マッカーサーさんにとっても迷惑な話です。

 このブタクサを食べるのが、ブタクサとともに北米からやってきたブタクサハムシ。厄介者のブタクサを食べてくれるのですから、正義の味方と言ってもいいのですが、悪役のブタクサほどには注目されていません。小さくて目立たなくて、ブタクサ駆除での活躍度合いも今一つ。
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 しかし、ブタクサハムシは、日本でその存在が確認されたのが1996~97年という、新人外国人選手ですから、温かい目で成長を見守ってやりたいものです。

 裏高尾の小道にも、オオブタクサが山ほど生えていました。
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 当然ブタクサハムシも山ほどいます。
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 このオレンジ色の粒々がブタクサハムシの卵のようです。
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 新鮮な果汁がいっぱいつまっていそうですね。

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 こちらは腐りかけのオレンジ、ではなくて孵化直前の卵です。
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 ほうら、ぞろぞろ出てきました。ブタクサハムシの幼虫です。
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 大きくなった幼虫です。
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 これが蛹室。葉っぱの上にメッシュの蛹室を作って、蛹になるようです。
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 今や、ブタクサがあればどこにでもいるハムシですから、1996年どころか、ずっと以前から密かにブタクサ退治をしてきたのだと思われます。もしかしたら、マッカーサーが持ち込んだ秘密兵器だったのかもしれません。
 家族に深刻な花粉症患者を抱える虫記者としても、ブタクサハムシの活躍に大きな期待を寄せたくなります。頑張れブタクサハムシ。