虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

ハンミョウ釣りのお誘い

 いよいよ師走。葉裏の虫もだんだん減って来ました。そこで、ついに地面の穴にまで手を出すことに。ハンミョウ釣りという遊びを御存じの方はいますでしょうか。堅い地面に穴を掘って、獲物がやってくるのを待っているハンミョウの幼虫を、草などで釣るものです。私が子供のころは、東京原宿の空き地あたりでも、結構釣れました。名人級の子もいて、次々に幼虫を釣り上げては、いたぶっていました。当時釣れた幼虫は、かなり大きかった印象があり、たぶんニワハンミョウだったのでないかと思います。
 都心では最近、大きなハンミョウは見なくなりましたが、極小サイズのトウキョウヒメハンミョウというやつは、墓地や公園に行くと、まだわんさといます。今回のターゲットはこの極小ハンミョウの幼虫です。
 ハンティングのフィールドは、職場から比較的近い浜離宮。湿っぽい日影の歩道脇に、直系3、4ミリ程度の小さな穴が10ほど集まっている場所を発見。近くの芝生に生えていた、わけぎのような細長い草の葉を、穴の中に奥深く差し込みます。すると、すぐに草の葉が動きだし、外へ、外へと押し出されていきます。
 
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 そこで一気に草の葉を引き抜く。ただそれだけです。引き抜く際に手応えがあると、草に噛みついていた不気味な格好の幼虫が穴からスポンと飛び出してきます。手応えがなければ失敗。また草の葉を穴に突っ込みます。
 
 釣られた直後のハンミョウの幼虫。上の方にあるのは、その巣穴
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 5分ほどで、釣れたのは4匹。名人級の腕前と言えます。経験上は、ススキ系の薄っぺらい草より、ネギ系の円錐形の草の方が釣果が良いようです。本当の名人は、穴の入口に顔を出している幼虫の目の前で、虫に見せかけた草や糸を動かして、飛び付かせることもできるようですが、そこまでの腕は私にはありません。
 
 拡大すると相当不気味な生き物
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 かつては、多くの子供たちが知っていた遊びなので、各地で独特の必殺技が編み出されていたようです。ご存じの方がいたら、教えて下さい。
 成虫のトウキョウヒメハンミョウの写真は、これまで何枚か撮っていたはずなのですが、みつかりません。代わりに美麗なナミハンミョウの写真をご覧ください。
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 ナミハンミョウは、ハンミョウの仲間では大型なので、ハンミョウ釣りをしたらかなり手応えがありそうです。