虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

祝啓蟄、昆虫ぞろそろ③イモムシ毛虫

 啓蟄に簡単に見つかる蛾の幼虫と言えば、ホタルガでしょう。サカキ、ヒサカキなどを食べますが、越冬幼虫が好むのは「日当たりはいいが、手入れは悪い」垣根のハマヒサカキです。
 ハマヒサカキのテカテカの葉に、キラキラのクリスマス・イルミネーションのような銀色の食痕が山ほどあれば、その葉裏にホタルガの越冬幼虫がいます。
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 しかし、葉を裏返しても「全然いない」と思う人もいるでしょう。越冬幼虫は食痕にそっくりで、食痕に埋まるように身を隠すので、つい見落としてしまいます。
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           どれが食痕で、どれがホタルガ幼虫か、判然としませんね。

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拡大してみると、ようやくホタルガと分かります。

 擬態の技が分かれば、山ほど幼虫がいることが判明します。赤みがさしたなかなか美しい幼虫もいます。
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 次の毛虫はマサキの枝先で孵化したばかりのミノウスバ。啓蟄にふさわしい姿ですね。独特の縞模様はまだなくて、ただの茶色い毛虫なので、遠目には枝先がちょっと汚れているぐらいにしか思えません。
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 晩秋に産卵現場を押さえておかないと、老眼でこれを見つけるのはちょっと難しいです。
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     以前に掲載した晩秋(11月)の産卵現場。

 それに比べて、ドクガ系の毛虫はなんと目立つことか。
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 そして、目立たないどころか、外からは全く見えないのが、枯れたススキの茎の中にいるこいつ。たぶんスジツトガというやつです。
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 ささ虫とか言う名で釣り餌にもなっているぐらいですから、ススキ原を歩くと、至る所にこいつの隠れ家の手がかりがあります。
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 分かりやすい穴ですね。この穴から一節上のところにたいていイモムシがいます。釣り餌に困ったら、是非ご利用を。