20日は冬のような寒さに逆戻り。虫もこごえていることでしょう。こんな日は釣りでも。と言っても魚ではありません。地味な虫遊び、ハンミョウ釣りです。
夏場にきれいなナミハンミョウを見かけた東京近郊の川辺へ。
すると、ある、ある。踏み固められた歩道の脇に、アリの巣大の穴がポコポコ。
さっそく草の茎を穴に突っ込んで、反応を待ちます。
もしハンミョウの幼虫がいれば、すぐに草が動き出します。穴をふさいだ障害物を一刻も早く取り除こうとするんですね。
ころあいを見計らって、一気に草の茎を引き抜くと。
スポッ。草の茎に噛み付いたハンミョウの幼虫が、飛び出てきました。
油断をしていると、穴の中にお尻から逃げ込んでしまいます。
これが、穴の入り口で獲物を待つ基本形。
手のひらにのせて観察。縦にして見ると、穴の中にいる時の姿がイメージできますね。背中のこぶと棘は、獲物を穴の中に引っ張り込む時に、踏ん張る役目を果たすようです。大きな獲物だと、逆に穴から引っ張り出される恐れもありますから。
これが全身像。あの美しい成虫の姿からは想像もできないグロテスクな存在です。
一匹持ち帰って現在観察中ですが、餌を捕る瞬間は、超早業で、ハイスピードカメラでもないと撮れそうにありません。穴から半身飛び出して、獲物に噛み付き、穴に引きずり込む。このすべての動作が、反射神経の鈍い私が、シャッターを切るまでの間に完了しています。
このままでは、あまりにも気持ち悪いので、この日出合った唯一のきれいな虫、セモンジンガサハムシです。でもこいつらも、幼虫は不気味ですよね。