虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

2014-01-01から1年間の記事一覧

秋の蛾、追い込み

秋の蛾の季節もそろそろ最終盤。急がないと、あっという間にフユシャクの季節がやってきてしまします。 10月半ばに見たクスサン。もうこれが今年最後か。 10月にはたくさんいたキマダラ大ナミシャクも、グッと減ってきました。昼間飛んでいるとキチョウ…

ウラギンシジミの舌技

ウラギンシジミの好物は人の汗。 汗臭い人を見つけると、しつこくまとわりついてきます。手のひらを差し出すと、何のためらいもなく、手乗りしてきました。 つぶらな瞳で、こちらを見つめながら、汗を舐め取ります。 その口をズームアップすると、不思議な形…

ヒメヤママユと芥川龍之介の関係

自宅でヒメヤママユが羽化したということは、晩秋の蛾の季節がやってきたということです。さっそく小雨降る中、裏高尾に蛾を探しに行ってきました。 すると、奇妙な光景が。 羽ばたきもせず、空中に静止する2匹のヒメヤママユ。まるで手品のようです。 こん…

ヒメヤママユ飼育日記

関東でもようやくヒメヤママユの季節になりましたね。思い起こせば、遠い昔。頭の赤い小さな幼虫を持ち帰ったのは、新緑がまぶしい今年5月初めでした。 この頃の幼虫もなかなか美的です。 終齢はごく普通の毛虫でした。 繭を作ったのは6月11日。 そこか…

森の中のエンゼルフィッシュの群れ

ヒナカマ対決の舞台となった三浦は温暖な地。蝶や蛾もまだまだ元気です。アカタテハ、ウラギンシジミは、まだ全然越冬態勢に入る気はないようです。 ヤマトシジミはまだ恋の炎を燃やしています。 幾何学的模様のハスモンヨトウ。 動かなければ、絶対発見不可…

ヒナカマ対決の合間に

三浦半島組VS八王子組のヒナカマキリ対決。本命のヒナカマキリ探しで敗北を喫した場合に備えて、三浦組は「その他の虫」分野でも得点を稼ぐという姑息な手段に活路を見いだします。 ヒナカマから見ると、コカマキリやハラビロカマキリは、とてつもなく巨大…

ヒナカマキリ対決続編

三浦半島組VS八王子組のヒナカマキリ対決は、さらに続きます。 発見数での勝負では、圧倒的に参加者の少ない三浦組が不利。であれば、劇的シーン、芸術的作品で点数を稼ぐしかありません。 まずは劇的シーンです。虫かごの中で誕生したヒナカマのカップル…

時事ドットコム更新、今回は「高尾山の虫見シュランガイド」

時事ドットコムの「昆虫記者」更新しました。今回は「高尾山の虫見シュランガイド」。このブログの高尾シリーズの集大成でもあります。 いつか高尾山の虫図鑑をつくりたい。そんな野望が見え隠れしています。そのためには、長生きして、あと10年は高尾に通…

ヒナカマキリ対決の結末はいかに

さてさて、三浦半島組と八王子組のヒナカマキリ対決の結果はどうなったのでしょう。 三浦半島組は出だしからつまずきました。自称隊長の虫記者が自宅を出ようとすると、愛車フィットは鳥の糞の猛爆撃で真っ白。洗車で完全に出遅れました。頼りにしていた隊員…

伝説の怪物シャッチー登場

奥高尾の萩の茂みに異様なシルエット。あれは、もしや伝説の怪物シャッチーでは。 近づいてみると、やはりそうでした。頭が虎で体が魚、背中は棘だらけという「鯱=しゃちほこ」、愛称シャッチーです。 残念ながら本家シャチホコガではなく、妹分のヒメシャ…

10月25日はヒナカマキリ対決

3月3日でもないのに、内輪の虫仲間は、ヒナ祭りで盛り上がっています。10月25日(土)には、なんと、三浦半島組と八王子組に分かれて、歴史的なヒナカマキリ対決が決行される予定。 虫記者は三浦半島組の隊長です。八王子組に参加する「虫目で歩けば」…

ヒゲじい似のイモムシ、コミスジ幼虫

10月の高尾で出会ったコミスジの幼虫。なんとなく爺臭い感じがしませんか。NHKの「ダーウィンが来た」で、駄洒落を連発するヒゲじいに似てませんか。私は勝手にヒゲじいと呼んでいます。 この姿のまま越冬して、春になってから蛹になります。幼虫(ヨウ…

ダイミョウセセリ飼育日記

ヤマイモの葉の一部分だけが、可愛らしく折りたたまれていれば… 中には小さなダイミョウセセリの幼虫がいます。 ヤマイモの葉がこんなふうに2枚重ねてあったら… その中には蛹化直前のかなり太ったダイミョウセセリの幼虫がいます。 若干太り過ぎかも。 顔も…

山ガールとアサギマダラ

10月の高尾山。蝶屋のお目当ては、アサギマダラ。 5月の高尾にたくさんいたアサギマダラですが、夏場はいったいどこに姿を消していたのか。10月になると、突然大挙して高尾に舞い戻ってきます。 アザミやコウヤボウキがお気に入りの花です。 ちょっと傷…

天然トリックアート、ムラサキシャチホコ無事羽化

擬態の極致、天然トリックアートのムラサキシャチホコ、ついに我が家で羽化しました。 コマユバチやら、もっと大きな寄生バチやらの餌食になって、これまで2回の飼育に失敗。3度目の正直です。 多摩川河川敷で出会った幼虫。 プラケースの側面とオニグルミ…

鐫花娘子蜂、何て読むんだろう

チュウレンジバチと言えば、バラの大敵。鐫花娘子蜂などと書くらしく、バラに卵を埋め込む娘子のハチということらしいです。 卵の埋め込み作業に余念がない♀です。 そして集団尻上げポーズが魅力の幼虫。虫が少なくなり、寂しいこの季節。こんなものでも、じ…

ヒナカマキリより小さなカマ君、ミナミカマバエ

三浦半島では、ヒナカマキリよりずっと小さなカマ君にも出会いました。体長はほんの数ミリ。 日本最小のカマキリはヒナカマキリだったはず。では、この超極小カマはいったい何者?。 実はこのカマ君は、蠅です。ミナミカマバエと言うそうです。 遠目にはただ…

三浦半島でヒナ祭り。ヒナカマキリ今年も豊作

この時期の三浦半島と言えば、虫記者的にばヒナカマキリです。新しく見つけた観察ポイント。気が付くと、運動靴の先にちょこんと乗っかっていました。 恒例の一円玉攻撃です。羽はないけど、これで成虫。ちょうど一円玉サイズです。 擬木の上にも、たくさん…

ビジョオニグモの皆既月食

8日の皆既月食、都心でもすごくきれいに見えましたね。地球の影が徐々に月を覆っていく様子がはっきり分かって、地球は本当に宇宙に浮かぶ星なんだって実感しました。 実は先日、三浦半島の観音崎で、ビジョオニグモを使って、月食撮影の予行演習をしていた…

文一出版さんのハチ・ハンドブック

ポケットサイズの図鑑、ハンドブック・シリーズで有名な文一総合出版さんから、ハチ・ハンドブックを「謹呈!!!」していただきました。謹呈だなんて、超うれしい。 ハンドブック・シリーズには、お世話になっている昆虫写真家、森上信夫さんも著者に名を連…

木登りアリジゴク、コマダラウスバカゲロウ

「えっ、なんでアリジゴクが木に登ってるの」。 裏高尾で見た不思議な光景。実はウスバカゲロウの仲間の幼虫は、みんな擂り鉢状の穴、いわゆる「蟻地獄」の奥で獲物を待ち構えているわけではないのです。 木の幹に張り付いて、苔のふりをして獲物を待ち構え…

アオバセセリ幼虫、今年は見納め

八王子の低山。アワブキの枝先にずっしり重い葉巻がぶら下がっていまいた。 開いてみると、蛹化寸前の大きなアオバセセリの幼虫。「たぶんこれが今年最後の出会いになるんだろうな」、と思うと、切なくて、つい自宅に連れ帰ってしまいました。 プラケースに…

蟻だか蜂だか蜘蛛だか紛らわしい者たち

これは確実に蟻。ムネアカオオアリです。 ではこれは?ムネアカオオアリに似てますが、アリバチの仲間のようです。たぶんトゲムネアリバチ。 羽のないのは♀で、普通の蜂の♀と同様針を持っていて、刺されるとかなり痛いらしいです。アリでなく、アリバチだと…

裏高尾最強のムシは毒蛇マムシ

先日裏高尾で出会った最強のムシ。それはマムシです。マムシとは虫の中の虫、真の虫という意味もあるようですが、なるべくなら出会いたくないムシですね。 細い散策路で、前から団体さんがやってきたので、倒木をまたいで山側によけて道を譲ったのですが、ま…

アカスジキンカメ・フィーバー

虫の少なくなるこれからの季節、成虫や幼虫で越冬するカメムシがスター級の扱いになります。 中でも楽しいのが、アカスジキンカメ。今頃はいろいろなステージを一度に見られてお得。 虫塾の塾長でもあられるブログ「虫目で歩けば」管理人の鈴木海花さん、昆…

赤いシリーズ、今回はアカハネナガウンカ

裏高尾の散策路。アカイロトリノフンダマシの次の「赤いシリーズ」は、アカハネナガウンカ。 ススキ原を歩いていると、あっちからも、こっちからも、オレンジのアブラムシみたいなのが、次々に飛び立ちます。よーく見ると変な顔。そうです、アカハネナガウン…

アカイロトリノフンダマシ、略して赤フン

裏高尾の散策路で、赤フン発見。赤いふんどしが干してあったわけではありません。アカイロトリノフンダマシ、略して赤フンです。 最初は、羽化不全のシロホシテントウかと思いましたが、裏側から見ると、確かにクモです。 手のひらに乗せてみました。大きさ…

浜離宮・秋の花見de虫見②

秋の浜離宮は、萩の花も満開。関東では秋にならないと見られないウラナミシジミ。秋の使者ですね。花だけでなく、虫にも秋を感じられるって、何だか得した気分です。 花の間には、アオドウガネ。最近都心で急増している都会派の虫ですね。 足元には、イボバ…

浜離宮・秋の花見de虫見

秋の浜離宮はコスモス満開。人もいっぱいですが、虫もいっぱい。 園内にはタブノキが多いので、ここの花畑の名物はアオスジアゲハです。花の上には常連のミツバチとコアオハナムグリ。 アブラムシがびっしり付いた茎には、ナナホシテントウ。アブラムシを主…

オジロアシナガのゴ~~ル!

多摩川の河川敷。クズの茂みは、オジロアシナガゾウムシとコフキゾウムシの憩いの場ですね。 クズの茎にゴール(虫こぶ)があれば、中にオジロアシナガゾウムシの幼虫がいる可能性もあるらしいです。 パキッと割ると、中に白いウジウジした虫が。これがオジ…