虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

2014-01-01から1年間の記事一覧

遅れ馳せギンイチモンジセセリ

滝山公園から対岸に移って、河川敷を歩きます。 この辺りの多摩川の風景は、別の国、あるいは別の惑星のような、不思議な様相を見せます。 なんと、こんなところに、ギンイチモンジセセリ。でも、全然ギンイチに見えないですね。きれいな銀色の筋が見られる…

カブトムシ山に帰る

今回紹介するのは、「カブトムシ山に帰る」。小学校高学年の作文コンクール課題図書なので、お子さんをお持ちの家庭では、ご存じの方も多いでしょう。最近野山で見かけるカブトムシが小さくなっているのはなぜか。謎解きをしながら、自然への知識を深めてい…

過ぎゆく夏のチョンギース

滝山公園から多摩川の河川敷側へ下ると、東京とは思えない田園風景。牛舎もあって、畑の香水のかぐわしい匂いが。 河川敷の草原はバッタ天国。一番威厳のあるのは、やはりトノサマバッタですね。 キリギリスもたくさん鳴いています。一匹自宅に持ち帰り、「…

これぞ肉食、ツノトンボの幼虫

田舎のコンビニの明かりによく飛んでくるツノトンボ。あまり食指が動く虫ではありませんが、その幼虫はどうしても見たい虫の一つでした。 肉食系の虫は色々いますが、ツノトンボの幼虫ほど、肉食を強く印象付ける姿の虫は少ないでしょう。 卵から孵化して日…

八王子の美女、ビジョオニグモとスケバハゴロモ

八王子の滝山公園。城跡からは、ゆったりと流れる多摩川が見渡せます。 多摩川はここで秋川と合流します。 公園の入り口では、美女が待っていました。ビジョオニグモです。色白の丸顔に見える腹部が、美女っぽく見えるらしいです。現代の美女の基準からは外…

トイレの壁を飾るオオミズアオ

横浜つながりの森、優曇華の花の効果はさらに継続。 ナミハンミョウの小道の先には小さなトイレ。森の中にトイレがあれば、必要に迫られていても、いなくても、必ず入ってみるのが虫好きの妙な癖ですね。 すると、トイレの壁には、オオミズアオ。これだから…

虫の呼び名事典

今回紹介するのは、昆虫写真家の森上信夫さんによる「散歩で見つける虫の呼び名事典」。森上さんから、なんと手渡しで献本していただいた嬉しい一冊です。 「散歩で見つける」ということで、身近な種が多いのですが、森上さんの「さすがプロ」の技で、写真の…

ナミハンミョウ、立てば芍薬座れば牡丹?

横浜つながりの森、優曇華の花が引き寄せる幸運の虫はまだ続きます。 木漏れ日が差す小川沿いの道。これはもう、絶対にナミハンミョウのいる環境です。 案の定いました。それも次から次へと、数え切れないぐらい。これだけいれば、接写できるぐらい近づいて…

アミメクサカゲロウと優曇華の花

「横浜つながりの森」は横浜市最大という広大な緑地です。私がよく行く金沢自然公園も、その一角に過ぎません。縦走できる体力はないので、今回はいつもと違う方面から攻めてみました。 「おっ、優曇華の花」。縁起をかつぐ昔の人は、これを見ると「何か幸運…

昆虫記者更新です。42話は「昆虫写真家になりたい貴方へ」

時事ドットコムの「昆虫記者のなるほど探訪」更新しました。第42話は ◎昆虫写真家になりたい貴方へ =森上信夫氏に聞くプロへの道= です。 私が憧れる昆虫写真家の一人、森上さんは子供向け写真絵本ながら、昆虫本の名著とされる「虫のくる宿」で有名です…

毛並みのいいコイチャコガネ

コイチャコガネは毛並みの良さが自慢です。 拡大してみると、なるほど見事な毛並みです。 今回、狭山で初見の虫は、このニイジマトラカミキリ。 ミヤマアカネ。サーモンピンクの縁紋は♂ですね。一番きれいなアカネと言われるのも納得です。 白い縁紋のミヤマ…

ヤマイモハムシの悲劇

狭山でヤマイモハムシを撮っていたら いつものように、ポトリと落下したのですが、かわいそうなことに落ちた先がジョロウグモの巣。 しかし、どんな惨劇の瞬間でも、カメラを向けなければいけないのが記者というものです。 助けてくれーと叫ぶヤマイモハムシ…

カナムグラを食べるキボシカミキリ?

最近キボシカミキリがカナムグラを食べているところを目撃しました。それも1匹ではなく、5、6匹が群れで。1匹の変わり者が、たまにいつもと違う料理が食べたくなったというわけではないようです。 ちょっと飛んで行けば、桑の木もある自然豊かな場所なの…

追憶の宮崎・キオビクビボソハムシ

九州に多いトゲトゲと言えば、タケトゲハムシ。「宮崎に来る機会は、もうないかも」。ということは、タケトゲハムシも見納めかも。もっといい写真撮っておけばよかった。 実家の庭にいたハムシがもう1種。クビボソハムシの中では一番可憐なキオビクビボソハ…

ジャコウアゲハ対ホソオチョウ、果てしなき戦い

久々の狭山丘陵。ウマノスズクサが生い茂る草原に、1匹のジャコウアゲハ。 花から花へ、ではなくて、ウマからウマへ。次々に卵を産み付けていました、 写真を拡大してみると、お尻の先に卵が見えてます。 産み立てほやほやの新鮮卵です。 生まれたてほやほ…

世界の美しい虫

昆虫記者の役得、虫本の献本が次々に。こんないいこともありますから、まだまだ人生捨てたものではありません。 今回紹介する虫本は「世界の美しい虫」。虫好き男性が、虫好き女性に贈るのに絶好の写真集です。でも、虫好き同士のカップルなんて、希少種で…

小網代の森、勝手に昆虫生息調査

三浦半島に、自然たっぷりの新しい散策コースが開設されました。その名は「小網代の森」。長さ1キロほどの小さな川の源流の森から、湿地帯を通り、海岸の干潟まで、短時間で多様な風景が楽しめます。こうした川の流域全体が自然のままの状態で残された森は、…

虫目のススメ、虫目で歩けば

昆虫記者をやってきて良かったことの一つ。それは、最近、虫本の献本がたくさん届くようになったこと。 今回紹介するのは、鈴木海花さんの「虫目で歩けば」「虫目のススメ」です。 海花さんは、図鑑でもない、写真集でも写真絵本でもない、「見て楽しく、読…

宮崎の夏の思い出・果樹園を食い荒らす虫たち

主を失った宮崎の果樹園。ほったらかしになった桃の木は昆虫天国になっていました。 桃にかぶりつくカブトムシ。 桃汁に舌なめずりするゴマダラチョウ オオヨツスジハナカミキリまで、桃の香りに引き寄せられてきました。 イチジクの木をかじるクワカミキリ。…

フィールドガイド 日本のチョウ

昆虫記者をやってきて良かったことの一つ。それは、最近、虫本の献本がたくさん届くようになったこと。 今回紹介するのは、日本チョウ類保全協会が編集した「フィールドガイド 日本のチョウ」です。 かなり以前に、出版記念のイベントでいただいた本ですが、…

毎日一匹カブトムシ

金沢自然公園のその他の虫たちです。 以前スジクワガタのカップルがいたクヌギの木。今回は♀だけになっていました。格好いい♂は夏の自由研究の昆虫標本になってしまったのかもしれません。♀はスジクワガタの名に恥じず、鞘翅にしっかりした筋があります。 一…

昆虫探検図鑑1600

昆虫記者をやってきて良かったことの一つ。それは、最近、虫本の献本がたくさん届くようになったこと。 最新の献本はこれ。 虫好きなら知らない人は誰一人いないくらい有名なサイト「昆虫エクスプローラ」の管理者、川邊透さん。知ってましたか、ついに、エ…

オオキン、エビイロのその後の消息をたずねて

8月半ば、横浜市の金沢自然公園へ、オオキンカメムシのその後の消息をたずねに行ってきました。 アブラギリの高い樹上には、まだ1齢と思われる集団。なぜか1匹だけ少し大きいのが混じっています。 終齢らしいのも、何匹かいました。オレンジ色の成虫もいい…

豪雨の上高地・蛾編、仮面の蛾ウコンエダシャク

上高地2日目は朝から雨模様。高原は諦めて、家族サービスの飛騨高山観光へ。 たとえ街中の観光地でも、たとえ雨でも、虫がいないわけではありません。途中の土産物屋には、カクモンキシタバ。上羽の幾何学的な模様がいいですね。しかも、大サービスで黄色の…

豪雨の上高地・蝶編

アサギマダラは高原の風景にピッタリの蝶です。真夏は涼しい高原リゾートで過ごし、秋になると下界に下りてきて、庶民の目を楽しませてくれます。 ヒョウモン蝶も真夏になると下界から姿を消します。夏眠するらしいですが、高原の夏は短いのでヒョウモンに夏…

豪雨の上高地、ハナカミキリ編その②

やっぱり高原はいいですねー。真夏でも涼しい。そして、花々に囲まれて。さらに、その花々には、虫がいっぱい。 平地でもよくお目にかかったような連中もいますが。 ベニハナ? ツヤケシ? ヨツスジハナカミキリ ホタルカミキリ 高原の高級保養地とはあまり…

豪雨の上高地、ハナカミキリ編その①

8月7日の上高地。午後から雨の予報だったので、高速をぶっ飛ばして、何とか午前中に現地入り。バス停から蝶の聖地「徳沢」まで一気に歩き切るつもりでしたが、バスを降りた途端、道端の花に数え切れないほどのハナカミキリの姿。ハナカミキリを撮りながら…

ナショナル・モス・ウィーク、翌朝編・ルリボシカミキリ

モス・ウィークのイベントの翌朝、ホテル周辺を歩き回ってみると、いましたミズメイガの仲間。前日の神保先生の講演で紹介された変わり者の蛾。幼虫が水中生活するという、水陸両用、両生類のようなやつですね。 トリバガも、なかなかいいポーズで撮れました…

ナショナル・モス・ウィーク、昼間編

昼間のオオムラサキセンターの遊歩道。ムラサキシャチホコの幼虫、成虫が一度に見られるという感動の渦が収まる間もなく、現れたのはカマキリモドキの仲間。恐らくヒメカマキリモドキ。 一見カマキリ、と言うか、上半身はカマキリそのもの。しかし、下半身を…

ナショナル・モス・ウィーク、駅編

今回はナショナル・モス・ウィーク駅編です。 オオムラサキセンター近くの駅も、夜はライトトラップ状態。駅にも、コンビニにも、自販機にも、この時期の夜は虫がいっぱいなので、四六時中どこでも気が抜けないですね。 駅舎の壁にはオオミズアオ。昼間の蝶…