虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

2016-01-01から1年間の記事一覧

路上のツマグロヒョウモン幼虫。今年も通勤途中で救出

毎年今頃の季節に、街中のアスファルトの路上で踏みつぶしそうになる派手派手しくて、トゲトゲのイモムシは、ツマグロヒョウモンの幼虫です。 小さなプランターや道端のスミレを食べ尽くして、新たな餌場を求めて、あるいは、蛹化の場所を求めて、危険な旅に…

クロコノマチョウ♂♀カップルの枯葉擬態

自宅で飼育していたクロコノマチョウが昨日全員羽化しました。土曜なのに早朝出勤で、羽化には立ち会えず。狭いプラケースの中で4匹がぎゅう詰めだったので、帰宅後に逃がしてやるまでに、羽が少し傷んでしまいました。申し訳ない。 全員ほぼ同時期に蛹化。…

クロコノマチョウ幼虫の百面相

千葉のとある湿原の葦原。見回すと、あっちにも、こっちにもクロコノマチョウの幼虫。この葦には4匹います。 その中の一匹をズームアップすると、頭部正面の模様は、火事の火の字を擬人化したような見事なデザインです。 この幼虫は少し遠方で手が届かなか…

麻由子ちゃん、ボルネオ・ムル国立公園に進出

昆虫文学少女の新井麻由子ちゃん。今年の夏休みの旅は、ボルネオのグヌン・ムル国立公園でした。ムルと言えば巨大洞窟。と思うのは一般の観光旅行者ですね。 麻由子ちゃんにとっては、虫がどっさりいるという情報の方が大事です。特に重要なのは、ナナフシ…

ムラサキツバメを飼育したいという暇なあなたへ

都会で一番見つけやすいシジミチョウの幼虫と言えば、ムラサキツバメかもしれません。成虫の数から考えれば、ヤマトシジミやベニシジミの方が圧倒的に多いのですが、なにせヤマトシジミの食草のカタバミとか、ベニシジミの食草のギシギシ、スイバとかは、あ…

トリバネアゲハと露天風呂=ドットコム昆虫記者更新

時事ドットコムの「昆虫記者」、更新しました。今回は「トリバネアゲハと露天風呂ざんまい」。マレーシアの川辺の露天風呂にふさわしい風景と言えば、紅葉でも浴衣でもなく、温泉好きの国蝶ラジャブルック・バードウィング(アカエリトリバネアゲハ)です。 …

ヤマトシジミを飼育したいという奇特なあなたへ

熱帯の虫の紹介が続いた後は、日本の都会の街中で一番普通に見られるヤマトシジミです。天と地ほど落差が大きいですね。 あまりに普通で、あまりに地味で、あまりに小さい蝶なので、あらゆる人々に無視されている蝶です。なので、その幼虫を探した人とか、飼…

昆虫記者の原点・一見こわもてのクモたち

マレーシア・フレーザーズヒルの道の両側の土手を眺めて歩くと、こんな穴があちこちに開いています。これがアースタイガーと呼ばれるタランチュラの仲間のクモの巣です。 夜行性なので、昼間はあまり出歩いていませんが、穴の入り口あたりに顔を出しているの…

昆虫記者の原点・糞虫も重戦車級

自然は循環するもの。フレーザーズヒルの野生動物の糞はウォシュレットで流されることなく、森の中で分解され、木々の栄養になります。その際に、糞の解体、分解を手助けするのが糞虫ですね。人の嫌がる仕事を積極的に引き受けている見上げた心がけの虫です…

昆虫記者の原点・フレーザー夜の雑虫

マレーシア・フレーザーズヒルの夜。本命の大物以外に、どこにでもいそうな雑虫もたくさんやってきます。 ウバタマコメツキの仲間でしょう。机の上で裏返して、こめつき運動をさせてしばらく遊びました。大型コメツキなので、ジャンプする高さも半端ではあり…

昆虫記者の原点・虫の宝庫は鳥を呼ぶ

マレーシア・フレーザーズヒルが虫の宝庫なら、当然虫を食べる鳥も色々います。と言うか、ここは虫に関しては無名ですが、バードウォッチャーの間ではかなり有名な鳥の名所なのです。 ですが、虫記者の目的はあくまで虫なので、鳥は、「撮って、撮って」とし…

竹の中からハイイロヤハズ

これまた、かなり以前の話。2月ごろだったと思います。メダケと言うんでしょうか、細い竹の林で、枯れた竹にハイイロヤハズの産卵痕を見つけたのは。 割ってみると中にはやっぱり鉄砲虫。家に持ち帰って、竹の割れ目をテープで補修して、そのままほったらか…

タテジマカミキリ、知らぬまに羽化

あれは今年3月のことでした。千葉の公園のカクレミノの木で、若い枝の先端にポッコリと穴が開いているのを発見しました。 もしやタテジマカミキリ?。食害された枝先を割いてみると、中にはやっぱり鉄砲虫。鉄砲の筒の中に込めらた弾丸のようですね。 まあ…

昆虫記者の原点・セミ界の王者テイオウゼミ現る

マレー半島の高原リゾートに来れば、かなりの確率でセミ界の帝王、テイオウゼミに出会えます。コーカサスオオカブトはアジア最大のカブトですが、テイオウゼミは世界最大のセミと言われています。何でも最大が好きな人にはお勧めのセミですね。 活動時間帯が…

クズの花とウラギンシジミのヌンチャク攻撃

クズの花って意外にきれいですね。フジの花の小型版のようで、紫色の花がたくさん連なっています。その花の中には、紫色の虫が隠れているのですが、こいつがなかなか見つからない。それはウラギンシジミの幼虫。 クズの花をかき分けている変な人がいれば、そ…

昆虫記者の原点・部屋のベランダにオウゴンオニクワガタ。ホンマでっか

ホテルを選ぶなら、☆の数やサービスや便利さなんかは二の次です。豊かな自然、うっそうとした森に囲まれているかどうかが重要です。 でもなかなか、虫好きが理想とするそういったホテルはないものです。フレーザーズヒルには以前はそういうホテルが幾つかあ…

昆虫記者の原点・コーカサスオオカブト♂樹上の対決

フレーザーズヒルで宿泊したホテルはシャーザン・イン。このホテルでは、泊まる部屋はゴルフコースに面した側を選びましょう。裏庭に面した側の部屋より少し値段が高いですが、ここでケチってはいけません。ベランダに飛んでくる虫は、前方が大きく開けたゴ…

昆虫記者更新・コーカサスオオカブトの来る高原の宿へようこそ

時事ドットコムの「昆虫記者」、更新しました。今回は「コーカサスオオカブトの来る高原の宿」。 昆虫記者誕生の地、クアラルンプール近郊の高原保養地フレーザーズヒルを再訪しました。オオカブト、オウゴンオニクワガタ、テイオウゼミなどを探します。 果…

年々増える東京のクマゼミ。ミンミンが苦戦

今年は墨田区の錦糸町でもクマゼミが鳴いてました。東京のクマゼミの勢力は年々拡大しているようです。 クマゼミの鳴くのは朝方。葛西臨海公園では、午前10時ぐらいまでは他のセミの声が全く聞こえないほど、クマゼミが「シャッシャッシャッシャ」と鳴き誇…

夏の夜はツチニン、ヌケニン、テッカニンを一気にゲット

夏バテ気味で、週末も遠出はせず、夕方涼しくなってから徒歩5分の都心の公園へ。午後7時、セミの幼虫がぞろぞろと地面から這い出してくる時間ですね。 いつもなら、週末でもそんなに人がいない公園なのですが、今年は何か違う。スマホを持った大人がぞろぞ…

チビタマのモテ期は幼虫期、その2

クズノチビタマの幼虫は、クズの葉に潜ったまま、上と下の表面を残して、中間の葉肉だけを食べ進みます。その食べ方には一定のリズムと法則があるようで、食べ跡は、産卵痕を起点とした魚のウロコのような模様になります。ウロコ一枚分を食べ終わったら、仕…

チビタマのモテ期は幼虫期

チビタマと言えどもタマムシ。これまではバカにし切ってきましたが、今年は心を入れ替えて、きちんと観察することに。 チビタマで一番観察しやすいのは、何といってもクズノチビタマムシです。クズの茂みでの生息密度は、コフキゾウムシ以上に高いと思われま…

ナメクジハバチの幼虫はまるで水まんじゅう

ナメクジハバチの幼虫は夏向きですね。水ようかんのような、水まんじゅうのような瑞々しさ。片栗粉のような半透明の皮はいったい何でできているのでしょう。気になりますね。 こいつはケヤキにいたので、ケヤキナメクジハバチの幼虫でしょう。水まんじゅうの…

魅惑のハムシワールド・犯行現場から消えたエノキハムシ

エノキハムシの被害は甚大です。幼虫が春に大量発生すると、新緑が生い茂っていたエノキは見るも無残な姿に。 あちこちに、ご飯粒をつぶして張り付けたような幼虫の姿。 大きめの幼虫を指乗せしてみると、体側に恐竜のようなトゲが並んでいて、なかなか格好…

夢の島公園のジャコウアゲハ天国

ユーカリハムシを見に行った夢の島公園。ついでに、ジャコウアゲハの幼虫をどっさり見つけました。 この場所、ジャコウアゲハの成虫がたくさん飛んでいるので、以前から気になっていたんです。ちょっと斜面を下ると、ウマノスズクサがあちこちに。当然、ジャ…

夢の島公園の名物ユーカリハムシ

東京・江東区の夢の島公園には、日本最大と言われるユーカリの森があります。オーストラリアからコアラを譲り受ける準備として、餌のユーカリの葉を確保する必要があったため、ユーカリ畑を作ったとか言われています。 今やそのユーカリは鬱蒼とした森になっ…

昆虫記者の原点・コーカサスオオカブト雌の凶器

フレーザースヒルに到着した時には夜の9時を回っていました。8時には着ける計算だったのに、空港のパスポートコントロールで1時間無駄にしたのが痛かった。「マレーシアに働きに来た」感のある人が多い列に並んではいけません。そういう人は、チェックに5…

昆虫記者の原点、マレーシアのオオウスバカミキリ

マレーシアのクアラルンプール郊外の高原保養地、フレーザーズヒルから帰ってきました。もりだくさんで、現在ヘトヘト状態です。 フレーザーズヒルは、実は昆虫記者の誕生の地、原点と言ってもいいところです。今から13年前に、シンガポール特派員時代にこ…

またマレーシアへ行ってきます。テナガコガネとの再会なるか。

3日の日曜日から、早めの夏休み。行き先はマレーシアの首都クアラルンプールから恐らく一番近い高地雲霧林に覆われたフレーザーズヒル。もう10数年前のことになりますが、シンガポール特派員だったころ、子供を連れて、フレーザーでの某昆虫教室に参加し…

キマダラヒカゲ成長記録

今回はあまりきれいでない、ありふれたチョウの代表のようなキマダラヒカゲです。日陰者の中でも、トップクラスの日陰者です。 普段はカメラを向ける人さえ、あまりいないかもしれませんね。でも、笹の葉の裏側に産卵中となれば、少し価値が上がります。 ど…