虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

カシノナガキクイムシ被害でコナラの巨樹全滅の危機。昆虫記者のご神木も枯死

たまにはちょっと自然科学者的な話もしないと、ただの虫バカ(実際そうですが)と思われてしまうので、今回は里山はおろか、都心の公園でも進行しているキクイムシ被害によるコナラ全滅の危機の話です。 コナラが全滅しても「痛くも痒くもない」という人も多…

イラガとイラガセイボウ、どちらが当たりなのか

虫を飼っているとときどき、どこに置いたのか忘れてしまうことがあります。先日部屋の中を、ちょっと危険そうな蛾が飛び回っていて、妻に怒鳴りつけられました。 額縁にとまった蛾を確認すると、その正体は「イラガ」でした。家の中のどこかに、あの芸術品の…

梅雨時の高尾で毎年会いたい恋人はオオトラフコガネ

梅雨時の高尾で毎年どうしても会いたい恋人と言えば、やっぱりオオトラフコガネ(オオトラフハナムグリ)ですね。妻子持ちの昆虫記者にとっては、恋人というより愛人ですね。妻との行事があっても、すっぽかして会いに行ってしまう相手です。 なにせ、発生時…

梅雨時が見ごろのアジサイを切り落としまくる花泥棒の正体は、アジサイ・チョッキリことシロオビアカアシナガゾウムシ

楽しい、楽しい裏高尾。今頃の季節はとりわけ昆虫濃度が高いので、余裕のある時間設定が必要です。見る虫すべて写真に撮っていると、あっという間に日が暮れます。梅雨時の好天の週末なんて、1、2度しかないかもしれないので、早朝から出かけましょう。 1…

葛西臨海公園の海辺にキアゲハがいる訳は、ハマウドが人参と同じセリ科だから

葛西臨海公園の海辺には、あのシマシマ模様がかわいいキアゲハの幼虫がいます。キアゲハの幼虫と言えば、ニンジン畑で探すのが定石ですよね。なのになぜ、海辺にいるのか。それは、海辺に生える巨大植物のハマウドが、ニンジンと同じセリ科の植物だからです…

梅雨時の楽しみのカタツムリには右巻きと左巻きがあるって、知ってっても何の役にも立たない

明日は関東も大雨らしいです。とっくに梅雨入りしていると思っていたら、関東はまだらしいので、明日こそ梅雨入り宣言かも。 と言うことで、雨の日の楽しみのカタツムリ探しです。ただ探すだけでは芸がないので、ここで一つ、虫好きならたいてい知っているう…

厳しい冬を乗り切り、最晩年に鮮やかな青い姿に変身するホソミオツネントンボ。人間の女性なら、美魔女のような存在ですね。

成虫越冬した虫はたいてい、子孫を残したら春から初夏にかけて、色落ちしてボロボロになって、死を迎えます。悲しいですが、それも自然の掟ですね。ところが、成虫越冬した後に、美しいカラフルな姿に変わる掟破りの虫がいます。ホソミオツネントンボです。…

イチモンジチョウの越冬幼虫を見つけるのは至難の業?

もう初夏だと言うのに、今頃イチモンジチョウの越冬幼虫の話です。単に怠けてアップし忘れていたのです。そしてあまりにも地味で目立たない越冬姿なので、時機を逸するとアップする気力が失せてしまったのでした。でも先日、昆虫写真家の森上信夫さんとご一…

貞操帯とシースルー。成人向けの話ではありません。ウスバシロチョウの話です。

スプリングエフェメラルのウスバシロチョウ(ウスバアゲハ)の季節は、そろそろ終わりですね。先週の高尾のウスバシロチョウはもう、ボロボロのばかりでしたが、若いころより、熟年になって魅力が増すこともあります。ウスバシロチョウの場合は、もともと鱗…

アサギマダラ幼虫、東京の野外で越冬できることを確認。さすが研究者。

毎年のように1、2匹、アサギマダラを自宅で羽化させてきましたが、これまでは冬に見つけた幼虫を室内で飼育するという過保護な扱いでした。幼虫が凍え死にしないようにという親心からなのですが、そうすると逆に、蝶が生きていくには寒すぎる2月末とか3…

どくろ顔のろくろ首と吸血卵

うわー、出たー。そろそろ夏らしくなってきたので、怪談です。今頃の野山では、髑髏(どくろ)顔のろくろ首が、あちこちから首を出していて、簡単に怪談気分が味わえますね。ご存知、ヒロバトガリエダシャクの幼虫です。 どくろ顔のろくろ首のようなヒロバト…

ツマキアオジョウカイモドキ、名前が長い虫はたいてい小さい

この季節、あちこちで見かけるけど、小さくてチョコマカと動き回って、よく飛ぶので、撮りにくいツマキアオジョウカイモドキの飛び立つ瞬間が撮れたので、アップします。場所は葛飾区の水元公園ですが、結構どこにでもいます。 鞘翅の先の黄色い紋がアクセン…

神田川でスッポンポン?

神田川の下流なんてどぶ川かと思っていたら、文京区の江戸川橋あたりは緑に囲まれて、結構清流っぽい雰囲気を醸し出していました。なので、スッポンポンで泳いでいる人も…なんてわけないですね。 今回の主役はスッポンなのでした。巨大スッポンを1匹のみな…

ビロードツリアブの産卵。ヒメハナバチの巣穴を爆撃。

アブを好きな人はあまりいませんね。ハチに似ていて怖そうだし、口で刺すやつもいるし。幼虫は蛆虫体形で肉食のが多いし、嫌われ者の要素が満載です。そんな中で、比較的かわいいのが、春にだけ姿を見せる、ビロードツリアブ。ホバリングする姿は、宙に浮く…

ツマキチョウとウシバシロチョウ。緊急事態でしばらく行けない😢東京の公園

東京はまた新型コロナで緊急事態です。多くの公園は閉園になったり、駐車場が閉鎖されたりして、感染リスクが極めて低いと思われる単独行動の虫撮りもできなくなりました。悲しい。 毎年のようにスプリングエフェメラルのツマキチョウを撮りに行っていた小石…

地味なスプリングエフェメラルその2、ミヤマセセリ

またまた地味なスプリングエフェメラルです。多摩丘陵で4月初めに撮ったミヤマセセリ。「これでも蝶なの、春の妖精なの、蛾じゃないの」なんて言わないで下さい。 多摩丘陵のミヤマセセリ♀。蛾のようにも見えますが、これでもミヤマセセリとしては最上級の…

スプリングエフェメラル。まずは地味なコツバメから。

春ですね。春は嬉しい季節ですが、あまりにも足早に過ぎ去っていくので悲しい季節でもあります。短い春の間だけ姿を見せて、可憐な姿を披露したと思ったら、あっという間になくなってしまう「春の短い命」のことを、スプリングエフェメラルと呼ぶそうです。 …

息子のコンデジの4k連写の威力に敗れた昆虫記者

息子が野鳥の写真を撮り始めたので、リーズナブルな値段のコンデジを買ってやりました。そして、近所で親子で特訓。息子は初心者なので、まともな写真は撮れないだろうということで、プロ(誰が?)の写真技術を見せつけてやろうともくろんでいたのでした。 …

春最初のカミキリ虫はキクスイカミキリ。菊愛好家はご用心

つい先日、わが家のベランダの鉢植えで、キクスイ(菊吸)カミキリを見つけました。菊愛好家の間では有名な、菊の害虫ですね。 菊の害虫として知られるキクスイカミキリがわが家のベランダに 「ホー、昆虫記者は菊を育てる趣味があるのか。見かけによらず、…

冬の虫撮り一気出し。外はもう春。緊急事態宣言の解除が待ち遠しい

今日葛西臨海公園に行ったら、もうシャクナゲも咲いていて、春の虫の一番手、コガタルリハムシは既に交尾、産卵に入っていました。冬の虫の時期はもう終わりですね。なので、今冬の写真の残りを一気出し、大バーゲンセールです。 まずは冬のトンボ、ホソミイ…

オー・ヘンリーの名作「最後の1葉」を思い出して泣けるヤマカマス

「病の床から窓の外を眺めるジョンジー。窓外の壁には、冬の寒さでほとんど葉を落としたたツタの木。「あの最後の1葉が落ちたら私も死ぬのね」。しかしその葉は何日経っても落ちない。雪まじりの風雨の夜、その葉は落ちたはずだった。なのに翌日もその葉は…

ツノナスそっくりでも生け花に使ってはいけないヌルデミミフシ

生け花の材料に花ナスというのがありますね。その中に黄色い出来損ないのカボチャみたいなのがあって、ツノナスとかフォックスフェイスとか呼ばれています。「昆虫記者は生け花の心得もあるのか」などと感心した人もいるかもしれませんが、とんでもありませ…

ヒメジュウジナガカメムシの越冬準備

何だか春めいてきてしまったので、急いで冬の虫、越冬中の虫の残務整理です。今回は時間がないので、ささっとヒメジュウジナガカメムシの越冬準備でごまかすことに。 昨年の晩秋に出会ったヒメジュウジナガカメムシの越冬前の集団は、これまで見た中でも最大…

東京でも結構生き残っている国蝶オオムラサキ

本日の話題は地味です。まあ、越冬している虫というのは、地味なのが多いものですから、諦めましょう。 成虫は日本の国蝶です。ということは、オオムラサキですね。日本の国花は、一般には桜と菊だそうです。国鳥はキジですね。何の役にも立たない知識ですが…

オシドリ夫婦とだけは呼ばれたくない

先日出かけた千葉市の公園は、毎年オシドリがやってくることでも有名です。でも、ここのオシドリはとてもシャイ(餌付けされていないオシドリはたいていシャイなようです)で、いつも庇のように枝が張り出した木の下に隠れています。 それでも時々木陰から出…

野鳥界のドナルド・トランプ、レンジャク見っけ

ドナルド・トランプ氏がついに米大統領の座を明け渡しましたが、それと相前後して野鳥界のトランプにやっと出会うことができました。野鳥界のトランプ、野鳥界のリーゼント頭の番長と言えば、レンジャクですね。 レンジャクにはヒ(緋)レンジャクとキ(黄)…

アサギマダラで真冬の東京でもイモムシ萌え

真冬のイモムシ探しで一番萌え萌えになるのは、アサギマダラでしょう。白、黄、黒の組み紐のような胴体の模様も萌え要素ですが、若齢幼虫のブサカワ、キモカワの顔も、捨てがたい魅力があります。 真冬のイモムシ萌え。アサギマダラのブサカワ、キモカワ系幼…

丑年の初虫詣と言えば、言わずと知れた羽無し蛾のチャバネフユエダシャク

丑年です。初詣は行きましたか。虫好きの丑年初詣と言えば、当然昆虫界のホルスタインこと、冬の羽なし蛾のチャバネフユエダシャク♀探しですね。 丑年の3密を避けての静かな初詣には、チャバネフユエダシャク探しが最適。ただし、見つかるかどうかは時の運…

秋の野山散策で意地汚く無料の食料を探す

今時になって秋の野山の味覚です。完全に一般社会と時間軸がずれているのが、常人たらぬ昆虫記者です。 ・柿 まずは代表的な秋の味覚の柿。これはほとんどの場合、所有者がいるので、勝手に取って食べることはできませんが、鳥や虫は勝手に食べています。う…

賑わう葛西臨海公園、シジミチョウの越冬にも3密の懸念?

冬の葛西臨海公園と言えば、ムラサキツバメ(蝶です。鳥ではありません)の集団越冬ですね。「ですね」って、だれも同意しないんですけど…と言われそうですが、昆虫記者的には、冬の葛西はやっぱり、何と言われようとも、ガン無視されようとも、ムラサキツバ…